2022年6月設立
みなと心不全協議会
「みなと心不全協議会」は心不全の早期発見と早期介入のための心不全の啓蒙活動並びに効率的な病診連携システムの構築を目的として作られた、東京都港区の循環器内科を有する病院と港区医師会で構成される組織です。
現在、①港区の住民健診の受診率向上と健診受診時の心不全リスク評価と予防的介入(心不全健診)、②心精査のためのスムーズな専門施設への紹介受診、③診療所、若手医師を含む全ての医療従事者に対するセミナーを通じた心不全の啓蒙活動を行っています。

心不全ってどんな病気?
どこへ相談すればいい?
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みなと心不全協議会は、港区医師会と港区にある病院の循環器内科が協働して、心不全の予防、早期発見と早期治療を行うことを目的ととした組織です。
みなと心不全協議会の活動について
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みなと心不全
協議会の
現在の活動
現在、港区では基本健診にBNP測定を取り入れ、住民の皆様の心不全リスクを評価し、心不全の早期発見、予防を行っています。
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みなと心不全
協議会の
ミッション


Mission01
循環器疾患における地域及び病診連携ネットワークの構築


Mission02
栄養・運動を含む包括的な疾病管理の場の提供


Mission03
地域住民に対する心不全についての啓蒙活動


Mission04
医療従事者への教育活動
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みなと心不全
協議会の
ビジョン

心不全で困る人をゼロにする
その症状、もしかして心不全かもしれません。
以下の症状に当てはまる方は、一度心臓の検査を受けましょう。

いつもの坂道や階段が最近苦しくなった

内科でBNPが高いと言われた

糖尿病や高血圧がある

足の甲やすねにむくみがある
息切れ・むくみは心不全によくみられる初期症状です。
連携医療機関へご相談ください。


心不全で困る人をゼロにする
その症状、もしかして心不全かもしれません。
以下の症状に当てはまる方は、一度心臓の検査を受けましょう。

いつもの坂道や階段が最近苦しくなった

内科でBNPが高いと言われた

糖尿病や高血圧がある

足の甲やすねにむくみがある
息切れ・むくみは心不全によくみられる初期症状です。
連携医療機関へご相談ください。


連携医療機関のご案内









アドバイザリー
心臓血管研究所 山下武志名誉所長
新潟大学循環器内科 猪又孝元教授
国立循環器病研究センター検診部 小久保喜弘部長

心不全とは
心不全とは、「心臓が悪いために、息切れやむくみが起こり、だんだん悪くなり、生命を縮める病気」と定義されています。
心不全とは、心臓が止まってしまうことではありません。
心臓は筋肉でできている臓器で、伸び縮みを規則正しく繰り返しています。心臓は血管とつながり、中を通る血液を全身の血管に巡らせるポンプの働きをしています。その心臓の筋肉に何等かの異常が生じると、全身の血管の血の巡りが悪くなり、息切れやむくみが生じます。
心不全は、さまざまな心臓病や高血圧、糖尿病の終末像です。(図1)
心臓病としては、心筋梗塞、心筋が徐々に侵されていく心筋症、昨今のコロナウイルス感染症で話題になった心筋炎、あるいは心臓弁膜症といった病気があります。加齢も心不全の重要なリスクとなります。加齢は心臓や血管を硬くします。そこに運動不足や塩分摂取過多などがあるとさらに心臓や血管の“硬化”が進み、心臓のポンプ機能が低下して心不全の症状を呈する場合があります。最近ではがん患者さんの心不全も増えています。これは、がん治療で使う抗がん剤が心臓の機能を低下させることによるものであり、がんの治療中に心不全を発症する人やがんは治ったのに心不全になる人もいます。
心不全にかかっている人は意外と多いです。日本におけるがん患者さんの数は約100万人とされていますが1、心不全の推定患者数は120万人と言われます。超高齢社会の日本において、その数は増加することが予想されています。


先述の定義にもあるように、心不全はやがては「生命を縮める」病気です。その生命予後は、進行がんの予後と概ね同じ、5年生存率で6割程度と言われます。「息切れ」や「むくみ」の症状の悪化を繰り返すほど、心臓の機能も体全体の機能も低下していき、ゆくゆくは生命を縮めることになるのです(図2)。その証拠に、心不全患者さんは心不全以外の理由でも入院しやすいことが知られています2。この報告によると、心不全患者さんはなんらかの理由で年に一度は皆入院しているそうです。
このようにならないためには、予防がとても大切です。
心不全にならないため
心不全を悪くしないための
3つの予防法
以下の3つは、高血圧や糖尿病、肥満などの有無によらず万人に共通の予防法です。
減塩

ラーメンのスープは残そう
血圧を下げる効果から心臓への負担を軽減し、また血管が硬くなるのを防ぐ効果があります。できれば一日に8gぐらいまでにするとよいですが、意識的に塩分を減らそうと気をつけるだけでも、おおよそ1gの減塩効果があることが示されています3。塩分6g含むスープ(日本の大き目のカップラーメンの塩分量に相当)を飲むと、食後3時間まで血圧が10mmHg前後あがったままになります4。まずは、毎食、減塩を意識することからはじめましょう。減塩塩(ナトリウムをカリウムに置き換えているカリウム塩)も血圧をおしなべて6mmHgほどさげると言われます。ただ、腎機能が低下しているとカリウムのとりすぎとなり、体に悪影響を及ぼすことがあります。腎臓の悪い方は主治医にご相談してください。
運動

ちょこちょこ歩こう
運動も心不全にならないための予防や心不全を悪くしないための予防の両方に効果があることがわかっています。どのくらいの運動がよいのでしょうか。これまでの報告から、毎日合計30分以上のスタスタ歩きがよいことが明らかとなっています。最近のアメリカの研究で、30分以上のスタスタ歩きは閉経後女性の心不全発症を25%減らしたという結果がでています5。毎日10分のスタスタ歩きを加えてあげるだけでも心臓病や脳卒中による死亡を30%近く減らす、というイギリスの疫学調査の報告もあります6(図3)。
心不全あるいは弁膜症や狭心症など何らかの心臓病と診断されている方は、どのくらいの運動が最適かを心肺運動負荷試験という検査で求めることができますので、医師に相談しましょう。

今から運動を始めても遅くはありません!

歯磨き

毎食後
昨今、歯周病菌と心筋梗塞や心内膜炎という弁膜症に至る重度の感染症、誤嚥性肺炎などの病気の発症との関係が報告されています。最近の韓国で行われた疫学調査では、毎食後歯磨きする人は、そうでない人に比べ、心不全や心房細動という不整脈の発症が有意に少なかったというデータが発表されました7(図4)。
心房細動は不整脈の一つですが、加齢とともに増えるものです。コントロール不良の高血圧や糖尿病があっても心房細動になりやすくなります。心房細動も心不全の重要なリスクの一つですので、なるべくならないようにしたいものです。

- がんの統計2022 公益財団法人がん研究復興財団 ↩︎
- Journal of American Heart Association 2022; 11:e026708 ↩︎
- Hypertension Research 2004; 27:243 ↩︎
- Kidney International 2012; 81:407 ↩︎
- Journal of American College of Cardiology Heart Failure 2018; 6: 996 ↩︎
- British Medical Journal 2019; 365:2323 ↩︎
- European Journal of Preventve Cardiology 2020; 27: 1835 ↩︎
心不全とは、心臓が悪いために、息切れやむくみが起こり、だんだん悪くなり、生命を縮める病気です。
コンテンツ

心不全とは
心不全で困る人をゼロにする(仮)。現在は港区の協力を得て、健診時BNP測定による心不全リスクの評価を行っています。

次のような方はご相談ください
・いつもの坂道が最近苦しくなった
・内科でBNPが高いと言われた
・糖尿病や高血圧がある方
一度心臓の検査を受けましょう。

心臓の検査をご希望の場合
連携医療機関のご案内